FigmaとAdobe XD:それぞれの違いを最新事情もふまえて解説

本記事ではFigmaとAdobe XDの違いや共通点について解説します。

FigmaとAdobe XDの最新事情

Adobeが買収予定だったFigmaですが、2024/01月現在は状況が異なってきています。FigmaとAdobe XDを比較する前に、最新事情を確認しておきましょう。

Figmaの最新事情

2023年12月18日(現地時間)に、AdobeのFigma買収についてEUの規制当局が独占禁止法違反で訴訟を起こす動きがあり買収が破談になったというニュースが入ってきました。FigmaのCEOであるDylan Field氏も公式ブログにて発表しています。

Adobeによる買収によって、Figmaの良さが失われてしまうと考えるデザイナーも多く、この買収破談を歓迎する向きも多くあるようですが、Figmaの運営・経営という観点からは、必ずしも諸手を挙げて喜べる状況でもないようです。

確かなことはわかりませんが、Figmaにはベンチャーキャピタルからも多くのお金が入っており、どこかの時点でイグジット(売却)する必要があったと分析する専門家もいるようです。

一方で、今回の買収破談によりFigmaは10億米ドル(約1425億円)の慰謝料を受け取ることになるため、今後の経営に大きな問題があるようにも思われません。

しばらく、Web DesignツールとしてのFigmaの覇権は続くと考えられますので、Adobe XDからの移行を考えていた人は、そのまま移行に踏み切っても良い状況であると思われます。

 

Adobe XDの最新事情

一方で、Adobe XDは2023年11月に、継続開発とサポートが終了になることが公式サイト内で告知されています。現在は、新規での利用はできない状態となっており、単体プランやAdobe Creative Cloudコンプリートプランなどの利用者のみ継続して利用できるツールになっています。

現在は、メンテナンスモードとなっています(以前は公式サイトから新規でダウンロードすることはできない状態であったが2026年現在は既存のCreative Cloud契約者などであればダウンロードは可能)。買収が破談になったのは、EUの規制当局がAdobeがFigmaの買収を実現させるために妥協案としてAdobe XDの売却を提案したところ、Adobeはこれを拒否したという経緯があります。

Adobe XDは開発終了に向けての準備段階に入っているとされていますが、こうした状況を勘案すると、それも撤回される可能性もあるかもしれません。

ただし、Web開発はノーコード・ローコード系のツールや、生成AIを利用したツールへ移行している段階に入ってきており、仮にAdobe XDの開発・運営が復活することがあったとしても、圧倒的なシェアを誇るようになったFigmaと再び競合関係になるようなツールとして返り咲くかどうかは未知数です。

とはいえ、Adobe XDを売却しなかったのは、それだけXDというツールにまだ利用価値があると考えていた見方もできます。

また、Adobeがワイヤーフレーム作成、プロトタイピング作成、UI/UXデザインといった分野から撤退するということも考えにくいため、Adobe XDでの開発リソースは何らかの形で受け継がれる可能性も高いと考えられます。

Adobeの開発した生成AIであるFireflyの機能が搭載されたAdobe XDの後継ツールなどが、リリースされればWebデザイン関連ツールの勢力図も変わってくる可能性はあります。

 

FigmaとAdobe XDの基礎知識

新事情が確認できたので、ここからはFigmaとAdobe XDの違いを見ていきましょう。まずは2つのツールの概要を説明します。

Figmaとは

Figmaは、ブラウザ上で動作し、リアルタイム共同編集、プロトタイピング、デザイン共有などの機能を提供するクラウドベースのデザインツールです。Webサイトだけでなく、モバイルアプリの開発などにも利用されています。
柔軟なインターフェース、豊富なプラグインエコシステム、使いやすさが特徴で、コラボレーション機能も強く、UI/UXデザイナーやチームが共同作業を行うにも便利なソフトウェアです。

Adobe XDとは

Adobe XDは、Adobeが開発したプロトタイピングとデザインツールです。デスクトップアプリケーションとして提供され、UI/UXデザイナーやWebデザイナーがモバイルアプリやWebサイトのプロトタイプを作成し、デザインを構築するのに役立ちます。
Figmaと同様に、Webサイトだけでなく、モバイルアプリの開発などにも利用されています。
シンプルなインターフェースと直感的な操作性が特徴で、リアルタイムプレビュー、プロトタイピング機能、デザインの共有など、効率的なデザインワークフローをサポートしています。

FigmaとAdobe XDの比較

概要が確認できたところでFigmaとAdobe XDの違いや共通点を比較してみましょう。

インターフェイスの比較

FigmaとAdobe XDのインターフェイスはどちらも使いやすく直感的です。
大きな違いはFigmaがブラウザベースでクラウドベースのSaaSであるのに対し、Adobe XDはデスクトップアプリケーションとして動作する点です。
Figmaはオンラインでの共同作業やリアルタイムのプレビューが容易であり、プロジェクトの共有もシームレスです。一方で、Adobe XDはネイティブアプリケーションのため、高速かつパフォーマンスに優れています。

Figma

Figmaのインターフェースは、上の画像のようなスタイルです。

Adobe XD

Adobe XDのインターフェースは上の画像のような操作画面スタイルです。

プロトタイピング機能の比較

FigmaとAdobe XDのプロトタイピング機能は、どちらも使い勝手よく設定されています。ツールの位置などは異なりますが、デザイン系のソフトウェアに慣れている人であれば、直感的に操作することができるでしょう。
違いがあるとすれば、Figmaは直感的なプロトタイプ作成が可能で、豊富なトランジションやインタラクションのオプションがあり、Adobe XDはシンプルで使いやすく、プロトタイプの作成や共有が迅速に行える点です。

Figma

上の画像はFigmaのプロトタイプ機能のイメージです。

Adobe XD

上の画像はAdobe XDのプロトタイプ機能のイメージです。

デザイン共有とコラボレーションの比較

FigmaとAdobe XDのデザイン共有とコラボレーション機能については、クラウドベースのFigmaのほうが優れたリアルタイム共同編集と共有機能を提供しています。
Figmaではプロジェクトの共有が容易で、チームメンバーと同時に作業することができます。
一方、Adobe XDはプロジェクトの共有方法に制約があり、たとえば、Adobe CCのアカウント保有者以外へのプロジェクトの共有など、リアルタイム共同編集には別のツールが必要な場合があります。
両ツールともデザイナーとデザイン協業者のコラボレーションをサポートしていますが、Figmaがより包括的でシームレスな共有体験を提供していると言えるでしょう。

Figma

上の画像はFigmaの共有機能のイメージです。

Adobe XD

上の画像はAdobe XDの共有機能のイメージです。

プラグインとエコシステムの比較

FigmaとAdobe XDは、どちらもコンポーネント機能や豊富なテンプレートなど、デザインの再利用におけるエコシステムが確立されています。
FigmaとAdobe XDのプラグインとエコシステムを比較すると、Figmaは豊富なプラグインと活発なコミュニティが特徴です。Figmaのプラグインエコシステムは多様で、デザイナーのワークフローを拡張します。
一方、Adobe XDのプラグインは比較的限られています。プラグインに関しては、Adobe Creative Cloudを利用してインストールが可能です。

Figma

上の画像はFigmaのプラグイン機能のイメージです。

Adobe XD

上の画像はAdobe XDのプラグイン機能のイメージです。

価格プランの比較

両者の価格プランについても比較しておきましょう。

Figma

Figmaの料金プランには、デザインと開発(デザインファイルとFigJamボード両方を利用できる)と、ホワイトボーディング(FigJamボードを利用できる)の2つに大別され、それぞれで4つのプランが用意されていますが、本記事では、デザインと開発に関する料金プランについて一覧表で確認しておきましょう。

プラン名 料金(月払い) 料金(年払い) 主な機能・備考
スターター 無料(永久) 無料(永久) 基本機能 + 3つのFigmaファイルと3つのFigJamファイル・個人用ファイル数無制限などの機能
Figma プロフェッショナル 2,250円 / 編集者1人 1,800円 / 編集者1人 スターターのすべての機能 + Figmaファイル数無制限・バージョン履歴数無制限など(※学生および教育関係者は無料、ベータ版の開発モード利用可能)
Figma ビジネス なし 6,750円 / 編集者1人 Figma プロフェッショナルのすべての機能 + 組織全体のライブラリ・デザインシステムアナリティクスなどの機能
エンタープライズ なし 11,250円 / 編集者1人 Figma ビジネスのすべての機能 + 専用ワークスペース・高度なデザインシステムなどの機能

上記の表にもあるように、「スターター」という名称のプランが、Figmaの無料プランになります。また、「Figma プロフェッショナル」というプランも、学生および教育関係者である場合は無料になります。

Adobe XD

前述のように、Adobe XDは現在メンテナンスモードとなっており公式サイトから新規でダウンロードすることはできません。
Figmaの買収が具体的になるまで、XDは無料でも利用できたツールでしたが、2023年1月に無料のXDスタータープランの提供を終了しています。念のため、メンテナンスモードに入る直前の価格を確認しておきましょう。

プラン名 料金 主な仕様・ストレージ 備考
XDスタータープラン 無料(提供終了) アクティブな共有ドキュメント×1、共有ドキュメント編集者×2、クラウドストレージ:2GB Adobe Fonts無料プラン(限定フォントセット)
XD単体プラン 1,298円(月額) アクティブな共有ドキュメント:無制限、共有ドキュメント編集者:無制限、アクティブな共有リンク:無制限、クラウドストレージ:100GB Adobe Fontsポートフォリオプラン(全フォントライブラリ)、Creative Cloudライブラリ
Creative Cloudコンプリートプラン 6,248円(月額) アクティブな共有ドキュメント:無制限、共有ドキュメント編集者:無制限、アクティブな共有リンク:無制限、クラウドストレージ:100GB Adobeの他のツールも利用可能、Adobe Fontsポートフォリオプラン(全フォントライブラリ)、Creative Cloudライブラリ

Figmaには無料プランがありますので、今後XDの提供が再開するようなことがあれば、無料プランも復活する可能性もあるかもしれません。

XDからFigmaへの移行で注意すべきこと

買収が破談になる前にAdobe XDの開発終了が告知されていたため、XDからFigmaへの移行する準備に入っていたXDユーザーも多いかと思います。
Adobe XDの開発がストップしている状態なのでFigmaへの移行は避けられない状況ですが、プロユースでFigmaを利用する場合はランニングコストが発生するようになります。
大半のデザイン関連企業は、Adobe Creative Cloudコンプリートプランに加入していると思いますので、この費用にプラスしてFigmaの料金がかかります。
Adobe XDの場合は、Adobe Creative Cloudコンプリートプランに含まれますので新たに費用は発生しません。まだ、状況は読めませんので、経済的に余裕がない場合は本格的な移行は、少し先に見送っても良いかもしれません。
ただし、Figmaの知識やスキルは、今後Webデザインを行う上で必須になってくると予測されますので、Figmaを無料で利用できるスタータープランに加入して使い方を学んでおくほうが良いでしょう。
本サイトにも、Figmaの基本的な使い方に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひ参考にしてください。

まとめ

今回は、最新の事情も踏まえて、FigmaとAdobe XDの相違点を確認しました。これから、Figmaを学んで行く場合も、前提として知っておいたほうがよい情報なので、本記事を参考にしてよく理解しておきましょう。

Spread the love